忍者ブログ
欠けている仏さまをこよなく愛する集団「欠け佛部」(部員一名)の部長によるBLOG
[9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2]  [1
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

去る8月某日、我ら(我)欠け佛部は滋賀県長浜市にて部活動を行いました。 長浜市の木之本町・高月町は、実は欠け佛さまが残るお堂が多く存在するのです!!
何箇所か、拝観予約が必要なところもありました。

青春18きっぷを利用して、始発で最寄り駅を出発。9時前に木ノ本駅に到着。
駅の観光協会で、レンタサイクルを借りました。
一日500円なのですが、乗り捨てオプションも付けたので800円。
これで、最初の目的地を目指します。


1 己高山 鶏足寺(己高閣・世代閣)

拝観料:500円
写真撮影:禁止


いきなりハードな、虫が大変多い山道を抜け、自転車を飛ばすこと20分。
鶏足寺へ来ました!!

この地は、平安時代~鎌倉時代にかけて山岳修行の聖地であったといいます。最盛期には多くの社寺が建っていたということですが、徐々に寂れ、お堂もほったらかしに・・・。
そして昭和に入り、それら見捨てられてきた仏像や文化財などを格納する目的で建てられたのが、収蔵庫である己高閣。続いて平成元年に世代閣も建てられました。

重文の十一面観音さまがおられたり、己高閣の七仏薬師などが有名ですが、欠け佛部部長が気になったのは、世代閣の地蔵菩薩

写真がないのでなんともお伝えできませんが・・・、とにかく素晴らしいです。
顔はほとんど摩滅。うっすらと残る左側の表情は、なんとも厳か。
右側はえぐれており、中身の木の部分が露出しています。このアンバランスさが痛ましく、そして敬虔な気持ちにさせられます。

そして、同じく世代閣の狛犬(一対)。
こちらも損傷が激しく、一対でその差があるから更に痛ましい。
しかし、一度お会いしてみる価値はあります。

こちらではポストカードも販売されていますが、当然欠け佛は少なめ。
欠け佛フォトグラファーさんなんておられないのでしょうか・・・。


2 天王山 安念寺

拝観料:志納
写真撮影OK


再び自転車にまたがり、今度は別のルートで駅へ。(こんどは凄く楽でした)
そして、西黒田の集落を目指します。

山に面した西黒田の集落。大変小さな規模。
安念寺さんは、そこで守られてきた小さなお堂です。

この中におられるのが、通称いも観音さまたち。
かつて、織田信長の延暦寺攻めの際、その末寺にあたるこの安念寺も襲われたそうですが、村の人々によって仏さまたちは田に隠されました。
江戸時代に入って掘り起こされ、余呉川で洗い清められたのですが、ずいぶん摩滅。
その後、この余呉川で洗うということが習慣化され、夏には子ども達の川遊び相手に!
まるで里芋を川で洗うようだということで、通称「いも観音」と呼ばれていますw
お話しを聞かせてくださったおじいさんのお父さん(90代)も、子どもの頃に川で遊んだとか。
凄いなー!!
もちろん今では行われておりません。

私が見に行ったとき、高月観音の里民俗資料館に、二躯の仏さまが出張中でした。

IMGP2017.JPG



IMGP2020.JPG



IMGP2018.JPG


































3 湖東山  正妙寺

拝観料:志納
写真撮影OK


お昼ごはんを挟んで、えっちらおっちら稲穂の海を越え、今度は琵琶湖の近くの高月町西野へ。
こちらは、湖北エコミュージアムに関わっているとか。
でも、財政難で、わりとほったらかし状態だそうです。
ここは、歴史ある集落でありながら、新しい住宅も多く、子どもたちが増えているとか。


さて、こちらのお目当ては正妙寺さんの千手千足観音さま。
欠け佛さまではありません。むしろ多いくらいの仏さまです。
有名であり、欠け佛ではないので多くは語りません。
千手千足観音で検索してください。きっと写真もたくさん出るでしょう。

思ったより小さい。
存在感のある美しい仏様でした。


4  高月観音の里歴史民俗資料館

入場料金:300円。


高月駅を越え「高月観音の里歴史民俗資料館」へ。
http://www.lbm.go.jp/kenhaku/shoukai/70.html

こちらでは、2011年8月末期当時、「戦火をくぐりぬけたホトケたち」という展覧会が催されていました。
戦乱の多かったこの湖北地方で、戦火をくぐりぬけながら守られてきた仏像さまたちを展示するというもの。
ポスターに使われているのは・・・さっきの安念寺の欠け佛さま!
こちらに、二躯が出張中なのでありました。

規模はあまり大きくなく、メインは安念寺からの二躯。
そして尾山白山神社釈迦堂からの僧形像さまでありましょうか。
しかしながら、なんとも痛ましく、そして素晴らしい展覧会でした。
戦乱が多かったというマイナスの面。しかし、それ故に人々は仏を大事にしようとする。
平穏な場所で暮らしていたら気づかない、平和であることのありがたさ。
だからこそ高月は観音の里であり、欠けた仏さまたちをも守り、守られようとしてきた場所ではないのでしょうか。

そして、常設展示もじっくり堪能。
今回は一部のお寺しか廻れませんでしたが、次に行きたい場所が増えました。


5  慈雲山向源寺(渡岸寺)

拝観料:300円
写真撮影禁止



さて、ラストは渡岸寺さんです。
正直、メジャーすぎて予定に入れることを躊躇していたのですが、行ってみて大正解でした。
国宝の、十一面観音さま。
「私のベスト仏像です!」という人もいると聞く、大人気仏さまです。

こちらがメインではあるのですが、他の仏さまも素晴らしい・・・!!!

お堂にひっそりと佇む、青獅子像!!
こちらも写真がなくて表現しづらいのですが、、、頭が丸々えぐれており、舌の部分だけが露出しているという、なんとも言えないむごたらしさ。
かつ、胴の部分がなく、体の前半と後半を、木の棒が繋いでいるという状態です。

そしてその横に白象像。こちらは比較的ましな状況ですが、鼻がまるごと欠けておられます。

この悲惨な二躯は、もちろんかつては文殊菩薩、そして普賢菩薩さまをその背に乗せておられたものなのでしょう。
しかし、今はあるじを失い、そして自身も大きく損傷しています。
なにが彼らをこうさせたのか。それを物語る文書資料はありません。
ただ、顔もない獅子の目が、悲惨な歴史を訴えかけてくるような気がします。



これにて、「ドッコイ!欠け佛ツアー~木之本・高月篇」は終了。
電車で大阪に帰り、ヨドバシカメラのカプリチョーザで打ち上げをして解散となりました。


shigakakebutu.jpg
今回のルート。


今回は、欠け佛部が結成されてからはじめての部活動となりましたが、なかなか良いスタートだったと思います。
たくさんの人々と欠け佛さまたちに出会い、天候にもめぐまれ、気持ちの良い空気のなかをサイクリングできました。
正直、帰ってすぐに「また行きたい!!」と思ってしまうほどでしたw
次回は冷水寺、春日神社、尾上釈迦堂に行こうと思います。



今後も欠け佛部は、こんな感じで清く正しく孤独に活動しますw
でも、ひっそり支えてくださる皆様のお陰で出来ることでもあります。
「ここ良いよー」っていう欠け佛さま情報があれば、気軽に教えてください。
全部員(一名)で行きます!!



今回のお寺の情報を教えてくださったみなさまに感謝!













 

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
春阿彌
性別:
非公開
趣味:
欠け佛さまに会うこと
自己紹介:
大阪に住む欠け佛好きな人。
好きなものは三つ。妹と鬼と欠け佛。
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者ブログ [PR]
design by AZZURR0